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【野口のお悩み解決!】マネジャーなぜなに物語

第8話 要注意!SNS

■SNSの落とし穴

実直:「あー! 野口先生!」

野口:「実直マネジャー、なにやら忙しそうですね」

実直:「ちょっとしたドタバタで、お客様の対応していたんですよ」

野口:「その紙袋は株式会社満足和食さんですね。あれ? そこは張切さんが担当していたんじゃないですか?」

実直:「今は僕が担当なんです」

野口:「何かあったんですか? ちょうどお昼ですし、お話がてらご飯でも」

実直:「あ! はい!」

話を聞くと、1月下旬に実直マネジャーは株式会社満足和食の担当になったとのこと。
そこには、先月まで絶好調だった張切さんの思わぬミスがあったとか。

野口:「張切さん、最近は自分のキャラをうまく使って、お客様と良いリレーションが築けているとばかり思ってましたよ」

実直:「今でもお客様は本心では、彼を許したいと考えていると思いますけど・・・」

野口:「一体何があったんですか?」

実直:「……野口先生はSNSは何をどれくらい活用されてます?」

野口:「私は、FBとツイッター、インスタすべて楽しく活用していますよ」

実直:「そのSNSがトラブルの元なんですよ!」

野口:「えー!何?」

■アカウントって、1つですか?

張切さんは体育会系出身で、上下関係や自分の振る舞いに関しては先輩後輩で鍛えあげられた経験から、
たくさんのお客様にかわいがってもらっています。
そんな張切さん、お客様ともSNSで繋がり、SNS内の異業種交流会にも積極的に参加し、
次々と繋がりを作っていったようです。

実直:「野口先生、和食満々ってご存知ですよね」

野口:「知ってますよ。株式会社満足和食さんが全国展開している和食チェーン店ですよね」

実直:「そうです。そこの西日本統括の多部平(たべひら)課長と張切さん、Twitterで仲良くなって、
和食満々のグループ入って頻繁にやり取りして、それが縁で、
多部平課長と飲みに行ったりしているんですよ」

野口:「ほー! それはいいですね」

実直:「うまくリレーションを構築しています。仕事にもつながっているんですが……」

野口:「Twitterで何かあったんですか?」

実直:「はい、あったんです。」

1月下旬、張切さんは多部平課長に和食満々の西日本統括部新年会に誘われます。
これは、多部平課長が、張切さんに和食満々の店長たちを紹介したいという気遣いでした。
張切さんは、実直マネジャーに参加したいということと、
そこで店長を紹介していただけるということを伝えます。
実直マネージャーもいい機会になればいいですね、と応援したそうです。

当日、張切さんは普段よりも多くの名刺を用意し、張り切って出かけていきました。

実直:「年齢が近く、意気投合した店長もいたようで、それは良かったと思います」

野口:「波に乗っている感じだったんですね」

実直:「ですが、張切さん、その仲良くなった複数人の店長のひとりと少しそりが合わなかったようで、
俗にいう裏アカウントで、その方のことをディスっちゃったですよ」

野口:「裏アカ? ディする? ちょっとピンと来ません」

実直:「つまり、張切さん本人とはわからない別のアカウントで、
その一人の店長のことを良くない表現を使ってつぶやいてしまったんですよ。」

野口:「張切さんは相当飲んでいましたね?」

実直:「そうですね。楽しかった分、たった一人の店長さんとの葛藤が許せなかったのでしょうね。
自分の仕事に対するまっすぐな姿勢を否定されたと受け取り、張切さんは我慢ならなかったようです。
で、つい帰宅途中に裏アカウントで〔和食満々も、たった一人の残念な店長せいで信用失うよね〕と、
店名を出して呟いちゃったんです。完全に酒の勢いと感情が切れたことからだと思います。
実店舗の名前を書くなんて!すぐに、ひろがっちゃいますよね? 
やはり、西日本統括部新年会に参加されていた他の店の店長さんのご友人がそのツイートを転送して
〔これって君の会社の悪口だよね?〕と確認してきたらしいんです。
新年会当日の投稿であることと実店舗名が書かれていたので、張切さんだとわかったのだと思います。
案の定、翌日に多部平課長から張切さんに連絡があり、“これって、もしかして君か?”と確認されたん です。」

野口:「あっちゃー!……」

実直:「張切さん、正直に“はい”とは言えず“ちがいます”と伝えたらしいのですが・・・」

■誰が見るかわからない。SNS

●張切さんのSNS表の利用は、あきらかにビジネスでありプライベートではない
張切さんの繋がりは同級生が3割、あとは勉強会や異業種交流会、取引先での繋がり。
その人達は張切さんの前向きな明るい顔である彼とつながっていたのです。
そして、「株式会社アド・ナンデモ・エージェンシー営業マン」というパブリックな顔で
繋がっている部分が大きい。張切さんは会社の看板を背負って繋がりを作ってきた。
だから、プライベートな裏の顔がSNSで垣間見た瞬間、だまされた、いいひとだと思っていたのに、
とかなりの落胆につながってしまったようなんです。

●SNSは知り合いや友人だけのクローズドな空間ではない
張切さんは繋がりを作りたいという思いが強く、表のアカウントは社名や名前は本名で出しています。
ですが、今回のように違うアカウント(本名や社名は伏せているアカウント)だから、
きっと特定されないだろうという甘い考えがあり、つい本音でストレスをぶつけてしまったようです。
とはいえ、表の顔のイメージとは真逆で、本当はこんなところで、我々への反抗心をつぶやいていたのか!
という疑念を生みだし、最終的に張切さんは出禁になってしまいました。

実直:「もちろん、僕だって面白くないことがあれば愚痴ることもありますよ。
ですが取引先の人とわかるような表記やだれもが見えるような場所でオープンにしたりはしません。
せいぜい、アルコールの量に任せて、くそー!とさけぶ程度です。
その上、特定の人だとわかるような表現は使わないです。」

野口:「……ふむふむ」

これが今回の経緯のようです。
ここから、どうするのか、あとはマネジャーの仕事です!

■現実と向き合う

ここからは営業マンとして、どうすべきなのかを考えていく部分ですね。

実直:「張切さんの裏アカウントに関しては凍結させました。先方にも誤解を与えた行動ということで、
全面的に本人のつぶやきであることを認めたわけではないですが、謝罪しました。」

野口:「ここからは厳しいですね」

実直:「そうなんです。一度生まれた不信感ですので、なかったこととして今までどおりのお付き合いお願いします!
というわけにはいきませんし」

野口:「そうですね。どこかで落とし所が必要ですね」

次は、株式会社満足和食さんへの信頼回復です。
先方から、ほとぼりが冷めるまでは張切さんは担当を外して欲しいといわれたので、
実直マネジャーは受け入れました。

実直:「結果、株式会社満足和食さんは僕が当面担当することになりました」

野口:「仕方ないですね」

実直:「先方の張切さんと言い合いになった店長は、けじめとしてしばらくは店長代理に降格という形です」

野口:「張切さんが裏アカでディスったと認めたわけではないですが互いがお酒の席とは言え、
口論になり、互いを否定したことは事実ですからね。その事実に対する、責任ですね?」

実直:「はい、張切さんには出禁中に、いくつか課題をだしています。
お客様の信用、信頼回復のためにできることを、まとめて提出してもらいます。」

野口:「ふふふ、営業マンの反省期間ですね」

実直:「三ヶ月をめどに先方にも説明して、担当に戻ってもらう予定です。本人には伝えていませんけどね」

野口:「それでいいと思います」

インターネットとの関わりに関して、張切さんは多くの学びを得たと思います。
営業マンとしても、リレーションの構築の繊細さ、それに伴う対応の厳しさを学べたのではないでしょうか?
さて、野口もSNSの利用・活用には、気をつけたいと思います。

ポイント

・SNSの使い方は要注意!
・この世に絶対はない! だれが見ていなくても、常に正しい行動と、判断を!

本編